1-3 資金計画
資金計画
どんな金利の低い条件の良いローンを組んだとしても、元々の借入額が増えてしまえば、返済の負担は大きくなってしまいます。そしてもう一つは、頭金を増やす方法を考えることです。
自己資金の準備
自己資金は物件価格の2~3割
住宅を購入する場合、掛けられる費用は人によって様々ですが、適正な予算を把握しておくことが大切です。
住宅ローンは購入する物件の物件価格までしか借りられません。そのうち借り入れ可能なのは物件価格の約8割が一般的であり、残りの約2割は自己資金として用意しておく必要があります。
また、物件価格の1割にあたる諸経費は基本的に現金で払う必要があるので、自己資金から捻出することになります。
頭金が多いほど良い
頭金は、自己資金から諸経費を支払った上で、物件価格に充当できる部分のことです。
頭金が多いほど月々の返済額が少なくなるという利点があります。3,000万で購入した時、頭金があれば1,000万円あれば借金の額は2,000万円です。
頭金がなければ、借金の額が3、000万円になります。同じ期間に返すとすれば、返済金額が1.5倍も違ってくるので、家計に与える影響も違ってきます。
無理なく返済できる金額
資金計画で一番大切なことは、無理をしないで返済ができる事です。
現在の家計から、確実に住宅費に回せる金額を見積り、そこから返済可能なローンの送金額を計算しましょう。
その時、今後の収入について楽観的な見積をしないようにします。将来、給料が下がる可能性や教育費など負担が重くなる事も考えられまので、自分のライフプランにあった金額で計算して下さい。
【1.将来、住宅に当てられる金額】
今の家計から将来の住居費に当てられる金額を計算します。基本は「現在家賃として払っている費用」+「住宅資金用に貯蓄している金額」ですが、将来の教育費のことなども考慮に入れましょう。
現在の住居費 (家賃等) 年間( )万円 |
+ |
現在の貯蓄額から住 居費にまわせる金額 |
= | ※A ( )万円 |
【2.住宅の維持費を引く】
家の保有税や修繕費などを「1」で計算した金額<A>から差し引きます。一戸建ての場合は、年間で15万~20万が目安です。
<A>万円 | + | 住宅の維持費 年間( )万円 |
= | ※B ( )万円 |
【3.返済できる期間を出す】
ローンは定年までに完済するのが原則です。最長で何年借りられるのかを計算しますが、それよりも早く返したい人は、その年数を<C>にします。
定年の年齢 ( )年 |
- | 返済開始の年齢 ( )年 |
= | ※C ( )年 |
【4.金利別の借入可能額をチェック】
下記の表は、年間返済額100万あたりの借入可能額です。利用するローンの金利と自分の返済期間<C>の交差するところを探します。例えば、<C>が25年で、金利3%のローンを利用する場合、交差する数字は1757万円です。
年間返済額100万あたりの借入可能額早見表(単位:万円) | ||||
---|---|---|---|---|
20年 | 25年 | 30年 | 35年 | |
2.5% | 1572 | 1857 | 2109 | 2331 |
2.6% | 1558 | 1836 | 2081 | 2296 |
2.7% | 1544 | 1816 | 2054 | 2262 |
2.8% | 1530 | 1796 | 2028 | 2229 |
2.9% | 1516 | 1776 | 2002 | 2197 |
3.0% | 1502 | 1757 | 1976 | 2165 |
3.1% | 1489 | 1738 | 1951 | 2134 |
3.2% | 1475 | 1719 | 1926 | 2013 |
3.3% | 1462 | 1700 | 1902 | 2074 |
【5.返済可能額の計算する】
4の表の金額は、年間返済額100万あたりの借入金額なので、自分の年間返済額<B>を100万で割った数字を、表の金額に掛けます。
4の金額 ( )万円 |
× | <B> ( )万円 100万円 |
= | ※D ( )万円 |
【6.部件価格との差額をだす】
5で出てきた<D>と物件価格との差額が、頭金として準備する金額です。
希望の物件価格 ( )万円 |
- | <D> ( )万円 |
= | ( )万円 |
【7.自己資金額】
今の家計から将来の住居費に当てられる金額を計算します。基本は「現在家賃として払っている費用」+「住宅資金用に貯蓄している金額」ですが、将来の教育費のことなども考慮に入れましょう。
あなたに 必要な 自己資金額 |
= | ( )万円 |
土地・建物以外の諸経費
住宅購入資金としての諸経費は物件価格の1割が必要
住宅購入資金は、土地の価格+建物の価格+諸経費からなっています。
諸経費に関しては、住宅の購入や建築に必要な税金や手数料が含まれます。
さらに、引越代や工事費、家財の購入代なども含まれるので、諸経費は物件価格の1割が必要とされています。
【印紙税】
不動産の売買契約書や建物の建築請負工事契約書、金銭消費貸借契約書に印紙を貼り消印をして納税します。
これらの印紙税は、契約書に記載される金額ごとに定められています。
約書の記載金額 | 印紙税 |
---|---|
【平成26年4月1日~平成30年3月31日】 | |
500万円を超え 1千万円以下 | 5千円 |
1千万円を超え 5千万円以下 | 1万円 |
5千万円を超え 1億円以下 | 3万円 |
【不動産取得税】
土地と建物にかかる地方税です。
取得時期 | ||
---|---|---|
取得不動産 | 平成18年4月1日~ 平成20年3月31日迄 | 平成20年4月1日~ 平成27年3月31日迄 |
土地 | 価格の3% | 価格の3% |
家屋 (住宅) |
||
家屋 (住宅以外) | 価格の3.5% | 価格の4% |
【登録免許税】
不動産の売買契約書や建物の建築請負工事契約書、金銭消費貸借契約書に印紙を貼り消印をして納税します。
これらの印紙税は、契約書に記載される金額ごとに定められています。
登記の種類 | 対象住宅 | 税率 | |
本則 | 特例 | ||
住宅用家屋の所有権の保存登記の税率の軽減 | 個人の住宅の用に供される床面積50平方メートル以上の家屋 | 0.40% | 0.15% |
住宅用家屋の所有権の移転登記(売買・競落に限る)の税率の軽減 | 個人の住宅の用に供される床面積50平方メートル以上の家屋 中古住宅の場合は、築後25年以内(木造は20年以内)のもの又は一定の耐震基準に適合するもの | 2.00% | 0.30% |
住宅取得資金の貸付け等に係る抵当権の設定登記の税率の軽減 | 0.40% | 0.10% |
【司法書士報酬】
登記の手続きを行う際、自分でもできますが、たいていは司法書士に依頼することになるので、その費用も準備しておきましょう。
司法書士の交通費などの諸経費も含まれるので、思っていたよりも多額になることもあります。
【火災保険料・自身保険料】
家を購入すると加入するのが一般的です。最近では、ローンを組む時に加入義務付けられていることが多いです。
保険料に関しては、家の構造や地域によって変わってきます。保険会社によっても料金が違ってきますので、複数の商品を見てから自分達に合った保険料を選びましょう。
【引越し代】
確実に掛かります。業者によって金額は変わってくるので複数から見積もりを出すようにしましょう。
また、立替の場合は、仮住まいの金額も忘れずに用意しましょう。