2-2 家の構造

目に見えない構造 どこが地震に強いポイントか?

強烈は縦揺れと横揺れに襲われ、倒壊もしくは半壊した住宅にみられた特徴は・・・。
(1)家が老朽化(土台や柱が腐食)していたため強い外力によって破壊された。
(2)接合部が抜けてしまい倒壊した。
(3)瓦屋根の重い荷重に大きな揺れが加わり家を支えられなかったことと言われています。
これらの十分な耐震性能を持っていない住宅が、犠牲をさらに大きくしました。

構造と工法について

構造

建物の骨組み(躯体)のことを構造といいます。主に躯体部分に使われる材質によって分類されています。
材質が木材の場合は「木造」、材質が鉄骨の場合は「鉄骨造」となります。
構造には以下のようなものがあります。

・木造
・鉄骨造(軽量鉄骨造・重量鉄骨造)
・鉄筋コンクリート造(RC造)

工法

工法は建てる方法のことを指します。大きくは軸組工法と壁式工法に分かれており、それに材質別 の構造が加わって細分化されます。
工法には以下のようなものがあります。

・木造軸組工法
・2×4工法
・鉄骨ALC工法
・プレハブ工法

構造の種類

軸組パース

「木造軸組工法」

木造軸組構法とは、建築構造の木構造の構法のひとつである。日本で古くから発達してきた伝統工法を簡略化・発展させた構法で、在来工法とも呼ばれている。
木造枠組壁構法がフレーム状に組まれた木材に構造用合板を打ち付けた壁や床(面材)で支える構造であるのに対し、木造軸組構法では、主に柱や梁といった軸組(線材)で支える。設計自由度が比較的高めの工法である。

軸組パース

「2×4工法」

2×4インチの木材で枠を組んで、それに合板を張ったパネルを構成し、現場で壁や床、天井の六面体の箱に組み立てるものです。
「面」で全体の建物を支えている点が特徴です。枠組壁工法とも言われ、北米で採用されていた工法になります。
 
 

軸組パース

「鉄骨造」

柱や梁などの主要構造部に、鋼材を用いた工法を鉄骨造りといいます。
分厚い重量鉄骨の柱と梁をボルトで固定・剛接合して大きな空間をつくる鉄骨ラーメン構造と、工法的には木造軸組と同様で、木の代わりに軽量鉄 骨の柱と梁を使う鉄骨ブレース造とがあります。

軸組パース

「鉄筋コンクリート造(RC造)」

物自身の重さを支えるような押し潰す力に強いコンクリートを、引き伸ばす力に強い棒状の鋼材である鉄筋で補強して作る構造のこと。
鉄の太い針金のようなものを編むように組み上げ、そこにコンクリートを流していき建物の構造を作っていきます。

 

軸組パース

「プレハブ工法」

プレハブ工法(プレハブこうほう)とは、あらかじめ部材を工場で生産・加工し、建築現場で加工を行わず組み立てる建築工法のこと
同工法を用いた住宅は一般に、「プレハブ住宅」あるいは単に「プレハブ」と言う。

構造の強さを決める構造材を比べてみよう。

現在の木造住宅に使われている構造材には、無垢材と集成材があります。
木は自然のものなので、切り出してから十分に乾燥するまで、伸縮したり、反ったり曲がったりする傾向があります。
こうした無垢材の欠点を解決したのが、十分に乾燥させたラミナと呼ばれる板材を積層接着した集成材です。
無垢材と比べて強く、しかも品質がずっと変わらないので、建てた時の強度を長く保つのに最適な構造材です。木造の大型建造物は、大半がこの集成材でつくられています。

構造の要、接合方法をチェックしよう。

一般的な木造住宅は、柱や梁の先端を削り、それを差し込む穴をあけて構造を組み立てています。この方式の場合、材料の断面を大きく欠損してしまうので木が持っている本来の強度を低下させてしまう問題や、地震などの大きなカがかかると抜けてしまう事故を引き起こしてしまう可能性があります。
一方、接合部に金物を使った木造住宅の場合、材料の断面欠損がなく、木が持っている本来の強度が発揮でき、接合部を金物でしっかり一体化しているので、大きな地震のカを受けても接合部はしっかりとそのカを受けとめ、地震に負けない構造を維持します。

断面欠損による強度低下の問題を解決する必要がある。

一般住宅の構造材は、接合部を切りかき複雑な形状に加工しますが、欠損部分が大きく、接合強度の低下原因となりやすい問題があります。金物接合は、構造材のカットを最小限に抑え、木材がもつ本来の強度を引き出しています。